想定以上の現場に悩まされる看護師

病院や介護施設のような看護師が働く現場では、看護師が通常思い描くような理想とはかけ離れた現実があります。患者のために看護を行うと皆が元気になり、喜びの声を上げて家に帰っていく様子を思い浮かべていた人もいないわけではありません。

いつも笑顔で接して、患者とゆっくりと対話をする日々を想像している人もいます。しかし、現実的には必死の看護が実らずに最期を看取ることがあったり、患者との関係がうまく作れずに悩んだりすることも多く、重労働と過密スケジュールに悩まされがちです。

その現実を知っている人も多くなりましたが、実際に現場に出てみると想像していた以上のギャップに悩まされる看護師も大勢います。しかし、現実と理想のギャップが大きいけれど努力するという覚悟を決めて現場に出てきていたお陰で、ある程度は耐えて頑張れるのが一般的な傾向です。

新人教育を受けている半年から2年程度の間にその現実を受け入れるようになって、一人前の看護師として働けるようになるための精神状態が形成されます。そして、理想とは程遠い現場であっても、仕事を通してやはり看護師が患者から必要とされている場面に何度も遭遇し、やりがいを見出していくのです。

働き始めた新人の頃はギャップに悩まされることになりやすいものの、徐々に看護現場はこのようなものだと認識できるようになり、それが当たり前になると一人前になります。その領域に到達するのが、ちょうど新人教育が終わる頃なのです。